「名探偵のままでいて」小西マサテル
「夏休みを目前に控えた、最後のプール授業。空は、梅雨が明けたばかりで雲ひとつない。うだるような暑さの中、みんなの憧れだったマドンナ先生が蜃気楼のように消えてしまう。それは子供たちにとってみれば一生、誰かに語りたくなる物語になるはずた。昔も今も、世の子供たちにとって、ひと夏のふしぎな物語にまさる経験なんてないよ」
2023年の1冊目。
宝島社が主催する文学賞「このミステリーがすごい!」2023年の受賞作。
作者が「ナインティナインのオールナイトニッポン」の放送作家とのことで、「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」で紹介されていた話題作。
事件を解決する人が現場に立ち会わない「安楽椅子探偵」タイプのミステリー小説。
安楽椅子探偵はレビー小体型認知症の元・校長先生でミステリーマニア。
主人公であり語り手は孫娘役の小学校教諭。事件に遭遇して祖父の話を聞きに行く時「待ってました」という気分になるのでキャラクターが立っている小説でした。
「煙草を1本くれないか」と言ってゴロワーズを呑む。
ドラマ化されるんでしょう、きっと。続編に期待します。