Everybody On News

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2023-01-01から1年間の記事一覧

黒川博行「連鎖」

黒川博行の新刊「連鎖」を読み終えた。昨年2月に読んだ「熔果」で黒川博行を知り、面白かったので新刊「連鎖」も読んだ。 本作「連鎖」と伊達・堀内が主人公の「熔果」(2021年11月)には、バディ物でロードノベルという共通点がある。 ただ「連鎖」の2人(…

坪内祐三「玉電松原物語」

振り返るとかなり自由な時代だった。 2020年1月に急逝された坪内祐三さんの遺作。2020年10月の刊行直後に予約注文していたが、東京の風景に馴染みがないため、手が伸びずにいました。 著者が過ごした幼少期の風景や出来事や人々を描いているのだが、行ったこ…

Amazonで本を買うと「帯」がついてこない問題

ネットで本を買うとコンディションも気になって。届くと折れていることもあるので。弾くためにも本屋で ちゃんと見て買います。 藤井健太郎(「BRUTUS」No.976 2023年1/1・15合併号) 今日、Amazonに注文していた曽我部恵一の新刊「いい匂いのする方へ」が届…

「今日拾った言葉たち」武田砂鉄

歴史の軽視を食い止めるのは、いつだって、「一粒の砂」なのだ。 2023年の2冊目。 「集めた言葉」だと、何かしらの狙いやフィルターが見える。目的ありきのことばというか。 「拾った言葉」なら、「集める」より無防備な印象を受ける。 「気鋭のライダーが心…

「名探偵のままでいて」小西マサテル

「夏休みを目前に控えた、最後のプール授業。空は、梅雨が明けたばかりで雲ひとつない。うだるような暑さの中、みんなの憧れだったマドンナ先生が蜃気楼のように消えてしまう。それは子供たちにとってみれば一生、誰かに語りたくなる物語になるはずた。昔も…